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読書感想文にNGワードなんてあるの?

読書感想文の悪い例とは。解説します。

 読書感想文をよりよくするためのポイントがあるように、悪くしないためのコツもあります。評価する側の人間からすれば、No GoodいわゆるNGのワードと見なさざるをえないものがたくさんあるのです。つまり出題者の教師がそれを目にしたとたん、減点の評価を下すであろう単語や語彙、文体、論調のことです。使ってはいけない言葉です。NGワードというのは、単語だけでなく、表現方法をも含みますが、それらがNGと呼ばれているのは、多くの学生が陥りがちな傾向を反映しているからに他なりません。以下読感文におけるNGの例をいくつか挙げたいと思います。

ありがちなNG表現

■名言の引用
 よくある退屈な表現は、他人の名言を引用し、冒頭なり末尾なりを飾ろうとする手法です。例えば「語りえぬことについては沈黙しなければならない――ウィットゲンシュタイン」といった感じに、名言の引用から始めたり、これを文章の最後に置いたりする文章は少なくありません。しかし名言にはほんらい前後の文脈があり、それを知らずに、単に聞きかじっただけの言葉を引用することは危険です。言葉の独り歩きをうながす行為は評価されませんし、何よりも自分の言葉で始めず、あるいは自分の言葉で締めくくらない文章には、独創性が感じられません。どうしても必要であると思う場合をのぞき、単に文章を飾りたいという下ごころ程度であるならば、やめた方が無難です。
■真理の断定
 また他の悪い例は真理の断定から始める文章です。つまり「人間は所詮エゴイストである」「人間とは偽善者であるか、悪人であるかのどちらかでしかない」といったふうな、人生や世界を一方的に決定づける断言のことを指します。高校生や中学生の真理の断定に説得される教師などいません。しかもこの手の主張をする学生は割合と多く、読む方としては実に退屈です。いきなり真理の断定から始めると、議論が閉ざされてしまい、発展の見込みがありません。そもそも真理というのはそう簡単に得られるものではないのです。むしろ、そのような一般論を疑ってかかり、自問自答する過程をしめす方が評価されるでしょう。書き手の批判精神と、開かれた柔軟な姿勢が問われているのですから、物事の複雑な面から、容易に真理が得られない事態に苦闘する過程を表明する方が、読む者に共感をあたえます。
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色々なNGの例

 その他細かい点を以下に列挙しましょう。
 語尾の単調な繰り返しはNGです。「~である。~である。~である。」「~だった。~だった。~だった。」という助動詞の連続は避けましょう。「~である。~かもしれない。~であろうか。~と思われる。」というふうに、自分の主張や思考の表現に抑揚と流れをつけることが大切です。ただし助動詞の連続は使い方次第では、一定の効果を与えますので、自覚的に使用する場合のほかは、修正する必要があります。
 侮蔑表現も完全にNGです。「~という馬鹿な連中」「~というウソつきども」といった、白か黒か、敵か味方か、と決めてかかる議論には、書き手の冷静さを感じません。むしろ一般にそう思われている相手は、本当にそうなのか、と粘り強く問い直す方が評価は高いでしょう。
 マンガ・アニメのセリフをこっそりと利用することは避けましょう。学生にありがちな退屈な手法です。さも自分の言葉であるかのように使う人が多いのですが、意外と教師も知っています。
 あらすじは、書くように指示されていないかぎり、書かない方がよいでしょう。良質なあらすじ・概要を書くには、一定の読解力が求められます。相手の主張の本質を見抜き、その本筋をたどるには訓練が必要です。無理にあらすじを書くと、単なる文字数稼ぎだと思われます。
■本の否定は人間の否定
 本の主張や内容の本筋をつかんだうえで、それを多面的に捉えることが高評価につながります。もしも本の内容にまったく賛成も共感もできないのであれば、どうすれば賛成できるか、どういう主張であれば共感できるのか、そこを論じることが大切です。本を読んだことで得るものがあったことを示すのが重要で、否定的な感想ばかりを述べてしまうと、その本から何も得られなかったということになります。それでは課題を出した教師自身が否定されたことにもなってしまいます。本の読み方は他人への接し方に少なからず通ずるところがあります。したがって読んだ本に対する否定的な意見をつらねるのはダメな例です。そういう文章を書く学生は、他人に対しても悪口ばかり言う人間だと思われてしまいます。些細な点をあげつらって、重箱の隅をつつくようなまねも評価を落とすでしょう。たしかに世の中には読む価値のない本のほうが多いかもしれません。しかし教師が課題として出す本は、教師が学生にとって有益だと判断したものです。まして一般に名作と呼ばれているようなものであれば、安易な全否定は禁物です。読書体験を通じて何を得ることができたのか、そこが試されています。
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